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鬼道式3ー比較研究

これらは全て独自見解です。

この項目では、タルパという術により形成される存在、タルパとそれに類似すると言われる人工精霊や使い魔などのその他の存在(いわゆる不可視などと呼ばれるもの)との相違点などを記述していきます。

タルパ、人工精霊、式神の概要

タルパ

まずタルパの定義については構造解析の項目でも述べましたが、ざっくり言うと術者が設定した情報を持つアストラル体の塊であり、術者と魂を共有することで術者のエーテル体を触媒として運用することができる存在です。
最終的にコーザル体から擬似魂を作り独立してギュルとなれる存在でもあります。

人工精霊

次に類似を指摘される、というよりほとんど混同される人工精霊についてです。
これもまた定義に苦労するのですが、理由としては定義される製造方法がさまざまで出来上がりが一定しにくいという点があります。
ですが魔術などの儀式により製作される人工精霊には一定の類似点もありますので、現在までの私見でそこを記述します。
まず、人工精霊の構成要素は今までの言及の用語を使うなら気です。
なんとか体として区別されていない、またはさらにその外側に位置することになるエネルギー、いわゆる霊力などで構成されていることが特徴です。
またタルパには必須ではない(基本、想起方法以上の意味を持たないらしい)依代を基本的に必要とする点も異なります。
なぜならば人工精霊は術者からの設定情報とともにこれらの依代の霊的性質を鋳型に使って気を固めることによって製作される(らしい)からです。
まあ、経験上ですが高度な技能があるなら依代なしに人工精霊を作ることも、物質的な依代によらず霊の側の物品を依代に人工精霊を作ることも不可能ではありませんが、これは例外と考えていいでしょう。
応用的な術ですし構造的には結局何らかの依代かその代替が必要という点では変わりません。
話を戻して人工精霊の構造ですが、人工精霊は術者のアストラル体に引っ付いています。魂レベルまで深くは引っ付きません。
こうした点で人工精霊とタルパは基礎構造から異なると言えます。

式神

また次に、これは人工精霊と類似していると言われている術ですが、式神について言及します。
式神には一般に術者が一から自作するものと独立した霊的存在を術で縛って使役するものがあると言えます。
まず前者の構造に言及しますと、これは人工精霊とかなり近く、依代もしくはその代替を必要とする気で構成された存在です。
ただしアストラル体との接続は無く、術者の気と接続しているか、もしくは接続せず自律行動しているかと言う点で異なります。
こうなると何が異なってくるかというと、特に自律行動している式神はAIとバッテリーで動く自動的なロボットに近いということです。
入力された情報と演算装置による対応はしますが自発思考をするわけではありません。
気を接続している場合でも、バッテリー駆動が有線電源になっただけであるか、逐次術者から情報の入力が可能であったりエラー時に問い合わせが可能という程度です。
自発思考を行うか、と言う点でこうした式神はタルパや人工精霊と異なると言えます。
霊的存在を術で縛った場合は使い魔とも言え、これは多種多様になるので言及するに難しいのですが、この場合も接続があったとして気による接続がほとんどです。
自発思考は元来できる霊的存在であれば一定すると考えていいですが、従わせるという目的からすると不能にする方が理に適っているとも言えます。
構造については多種多様ですので何とも言えません。

自発思考を行うかどうか

自発思考についてタルパと人工精霊は行う、と表記しましたが、オート化前のタルパは自発思考を行えません。
これはアストラル体の性質に由来し、それ自身で思考する機構を形成できないという点からそうなります。
また厳密には人工精霊も思考しているかと言うと難しい問題もあります。
アストラル体に接続する存在である人工精霊は、式神と同じく演算装置を持ちますが思考する機構を形成しているとも言い難いのです。
これは思考と演算の境目がどこにあるかという哲学的問いに近くなってくるのですが、アストラル体に接続した気の塊である人工精霊の思考もまたAIと言っていいと思います。
ですがアストラル体に接続していることにより人工精霊は自己の定義情報を改変する能力を持ちます。
そうなると人間から見た時に人工精霊はあたかも思考し成長する能力を持っているように映ります。
実際、機能が向上するのですからそれを成長と言うこともできるでしょう。
チューリング完全なAIが思考しているのかいないのかを判別することが人間には不可能である、と言った論点に近くなると思います。つまりなんともいえません。

成長するかどうか

さて、先程人工精霊は成長すると表記しました。
他はどうなのかと言うと、タルパは言うまでもなく成長することができますし、その伸び代は人工精霊よりはるかに大きいものとなります。
最終的に独立して思考する能力を持ちうる存在なので当然ではありますが。
一方式神はというと、自律的に成長することはありません。
術者が育てることは可能ですが、自己の改変を能動的に行うことはできないため、勝手に育つと言うことはありません。
使い魔とも言うべき霊的存在を縛って作る式神においては、元々の自発能力の有無により成長可能性は異なります。
ですが制御という点から考えるとそれは抑制されるべきものであるとも感じます。

その他の存在について

話をだいぶ戻しまして、その他の存在について言及していきたいと思います。
まず一般に言う使い魔、と言うか術で縛ることなく、たとえば口約束程度の契約で気の合った霊的存在を仲間(女神転生に倣って仲魔と言ってもいいでしょう)として使役する場合です。
この場合相手はすでに自分の魂を持っていることがほとんどです。
なぜなら自発的に仲間という関係を結ぶだけの思考力を持つ独立した存在だからです。
こうした存在は何の接続もないか気で接続して養ってもらうことを代償に働くことが多くなります。
こういった関係を全て否定するわけではありませんが、初心者の方はこうした関係を持とうとする相手には気をつけるべきです。
基本的に何らかの優越点があって従うことに利点が見出せるとお互い納得できる場合以外、そうして近づいてくる相手は何らかの詐欺行為や憑依、乗っ取りを行おうとしていると考えて問題ないからです。
前世などでとんでもない恩があったので守護する、などと言う事例は見たことがありますが、霊的存在は自分に勝ち目の無い人間に従う義理なんて通常存在せず、その関係は相手の趣味の問題になります。
つまりいつ掌を返されてもおかしくないわけです。恐ろしくてとてもではないですが仲魔とは呼べません。
女神転生と同じく自分よりレベルの高い存在は使役できないのです。

憑き物、眷属

また、別の存在として憑き物、眷属というものがあります。
これは憑き物筋などといった特異な性質を持っていないと存在しない事例ですが、狐憑きや蛇憑きと言った性質の方にはその名の通りの存在が周囲に侍ることになります。
性質の良し悪しや術者にとっての損得は個々の事例によるので言及しませんが、これらは構造的にとてもタルパに類似します。
基本的に眷属になるような憑き物は、自発思考力を持たないアストラル体で形成された霊的存在だからです。
こうした存在は魂を持ちアストラル体などを持つ本体である霊的存在から、アストラルの切り出しが行われるように剥げ落ちた一部が独立して発生することが多いようです。
そしてそうした経緯で発生した眷属が、憑き物筋と言った自己の魂を他の特定種の霊的存在と共有できる性質の人間と出会うと、アストラル体の塊である眷属はタルパのオート化と同じ構造で知性を持ち、成長するようになります。
最終的にはギュルと同じように一個の魂を持った霊的存在として独立することを目指す点でも、憑き物はタルパと類似していると考えています。天然のタルパと言ってもいいでしょう。
タルパは術者自身のアストラル体から派生したが故に、術者の魂と適合する憑き物として働く、と言ってもいいかもしれません。
こうした類似性ゆえに憑き物筋の方がタルパを作ることはお勧めしません。
アストラルの切り出しにおいて眷属がそこに混ざり込んでしまい、結局憑き物になってしまうからです。

タルパや人工精霊の知性

続いて、タルパや人工精霊の知性などについての話をしましょう。
どちらも(見かけ上含めても)自発思考が可能とは言いましたが、タルパと人工精霊には知性のあり方に差があります。
単純に言えば「思いつく」ことにかけてはタルパが強く、「知っている」ことにかけては人工精霊の方が優勢です。
これはそれぞれが接続する場所の性質が絡んでくる話で、タルパは魂の一部を共有するため、術者の思考の根本や才能の一部を共有します。
そのため術者に発想の才能などがあればタルパはそれを共有しますので発想力の高いタルパが出来上がります。
これは知性面だけでなく、霊的な行動、たとえばあちら側での格闘や引き寄せやヒーリングなどといった行為の得手不得手も、術者の才能を参照しています。
一方で人工精霊はそういった才能の共有は行いません。
そのかわりアストラル体という記憶領域に接続するため、術者が顕在的に理解していなくても「知っている」ことを参照する能力を持ちます。
そのため人工精霊の方がタルパより基本的には物知りになります。
また、能力の割り振りは術者の任意と依代の性質によるため、術者にとって不得手な行動を得意とする人工精霊を作ることも可能です。
ですので、不得意分野をサポートする目的であれば人工精霊の方が適切とも言えます。

個人的に言ってしまうと、タルパは高度でそれゆえ暴走時の危険性も高い術ですから、友達などが欲しいと言う目的であれば技術的にも保安的にも維持的にも人工精霊の方が良いのではないか、と考えてはいます。

さておき、タルパは高度な術と言いましたが、その構造を説明した今ではわかる方もいるかもしれません。
タルパにその能力があるならば自らの気を運用し術を使います。
すなわちタルパはギュルにならなくともその能力があるならば人工精霊や式神を製作運用することが可能です。
逆に人工精霊がタルパを作ることはできません。式神は作れますが。
こうした関係からタルパは高度な術、と言っても良いと考えます。
ですがなんでも高度なら良いと言うわけでもなく、目的に合った適切な手法を使うことが大事とも言えると思います。
タルパは自らの魂を晒す術であることには気をつけねばいけません。
魂にも命にも心にも取り換えは効かないのですから。

また、余談ですがタルパは純粋に出来上がっているほど写真越しには霊視などがしづらいなどと言う特徴もあります。
これはアストラル体の性質らしく、気の塊である人工精霊などと異なる点と言えます。
逆に言うと写真に写りやすい場合は何らかの不純物を疑う必要がある場合もある、とも言えます。

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